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抜歯矯正・非抜歯矯正

抜歯矯正と非抜歯矯正について

抜歯矯正と非抜歯矯正について矯正治療では、歯を抜くかどうかが大切な判断ポイントです。当院でも、できるだけ健康な歯を残す方針で治療を行っています。
抜歯が必要かどうかは、顎の大きさや歯が並ぶスペースの余裕によって決まります。大人の場合は、歯並びや見た目のバランスを整えるために抜歯が適切となることがあります。
無理に歯を抜かずに治療すると、歯が外側に広がって口元が突出して見えることもあるため、適切なスペースの確保が重要です。
一方、成長期に矯正を始めるお子さまは、骨の成長を活かすことができるため、歯を抜かずに治療できる場合がほとんどです。
荻窪ツイン歯科・矯正歯科では、見た目だけでなく、機能性や健康、将来を見据えたバランスの良い治療を大切にしています。抜歯について不安な方も、まずはお口の状態を確認し、ご希望に合った治療方法を一緒に考えましょう。

抜歯矯正について

抜歯矯正について抜歯が必要な場合は、一般的には、前から4番目の「第一小臼歯」や5番目の「第二小臼歯」を選ぶことが多いですが、選択は一律ではなく、歯並びや骨格の状態によって異なります。
当院では、単に「何本抜くか」「どこを抜くか」ではなく、横顔や口元の印象も含めたお顔全体の調和を大切にしながら、精密な検査と丁寧な診断を行っています。患者様のご希望も伺いながら、最適な治療方針を一緒に考えていきますので、どうぞ安心してご相談ください。

抜歯が必要になるケース

顎の大きさと歯の大きさが合わない場合

歯をきれいに並べるためには、顎の骨に十分なスペースが必要です。しかし、顎が小さかったり歯が大きかったりすると、歯が並びきらずにガタガタ・デコボコの「叢生(そうせい)」という状態になります。
スペースが足りないまま無理に歯を並べると、歯が前方に突き出してしまい、口元がふくらんで見える「口ゴボ(くちごぼ)」の原因になることもあります。
このようなケースでは、歯をきれいに並べるための十分なスペースを確保する目的で、抜歯が必要になることがあります。

前歯が前方に傾いている場合

歯並び全体は大きく乱れていなくても、前歯だけが前に出ている「上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)」の場合、口元の突出感や閉じにくさが気になることがあります。
このようなケースでは、上下左右の小臼歯を1本ずつ抜歯し、前歯を奥へ移動させるスペースを作ることが多いです。無理に非抜歯で治療を行うと、前歯がさらに前方に傾き、口元が膨らんでしまうリスクもあります。精密検査で前歯をどの程度後退させる必要があるのかを計測し、適切な治療計画を立てます。

噛み合わせにズレがある場合

出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)など、上下の歯の前後的なズレが大きいケースでは、抜歯によってスペースを作り、前後の歯の位置関係を調整します。一般的には、上の歯2本、または下の歯2本を抜歯することが多いです。
さらに、顎の骨格自体にズレがある場合や、歯の移動だけでは十分な改善が難しい場合には、外科的矯正(手術を併用した矯正治療)が必要となることもあります。外科的矯正は、顎の骨を手術によって移動させ、正しい位置に整える治療法です。一定の条件を満たせば、保険適用となります。

非抜歯矯正について

非抜歯矯正は、健康な永久歯を抜かずに歯並びや噛み合わせを整える矯正治療の方法です。本来、歯をきれいに並べるために抜歯が必要となる場合がありますが、非抜歯矯正では、歯列を拡大したり、歯の傾きをコントロールするなどの方法によって、歯が並ぶスペースを確保します。
自然な口元のラインや顔全体のバランスを保ちながら歯並びを整えられるのが大きな魅力です。

非抜歯矯正で失敗する理由

「歯を抜かずに治したい」と考える方は多いですが、すべての症例でうまくいくわけではありません。無理に非抜歯で進めると、スペース不足や口元のバランスの崩れなど、かえって仕上がりに不満が残るケースもあります。

十分なスペースが確保できない

顎の骨が小さく、歯を並べるスペースが根本的に不足している場合、無理に歯を詰め込むことで歯並びが不安定になり、治療後に後戻りが生じるリスクがあります。
本来抜歯をしてスペースを作るべき症例に対して、非抜歯にこだわってしまうことが原因です。
こうした失敗を防ぐためには、治療前に歯や顎の大きさ、噛み合わせの状態を正確に診断し、無理のない治療計画を立てることが重要です。

口元のバランスを考慮しない治療計画

治療計画で口元や横顔のバランスを十分に評価せず、単に歯を並べることだけを優先すると、前歯が前方に押し出されやすくなります。その結果、口元が突出して見え(口ゴボ)、横顔の調和が崩れることがあります。

非抜歯矯正を成功させるための「正確な診断と治療計画」

非抜歯で歯並びを整えるためには、的確な診断と治療計画が欠かせません。
顎の骨の大きさや歯の位置、骨の厚みなどを正確に把握したうえで、歯を無理なく並べられるかを見極める必要があります。
当院では、セファロレントゲンに加えてフェイススキャナーも活用し、お顔全体の骨格バランスを詳しく分析しています。さらに、3Dシミュレーションを使って歯の動きやアーチの広がりを事前に確認し、無理のない範囲での非抜歯矯正をめざします。
歯並びの乱れは、遺伝的な要因だけでなく、指しゃぶり・舌癖・口呼吸といった生活習慣が影響していることもあります。そうした背景も含めて総合的に診断し、一人ひとりに合った治療方針をご提案します。

精密検査・
シミュレーションについて

非抜歯矯正でのスペースの作り方

歯を抜かずに矯正治療を行う場合でも、歯を正しく並べるためには一定のスペースが必要です。当院では、以下の3つの方法を組み合わせながら、できる限り抜歯を避けております。

IPR(ディスキング)

IPR(ディスキング)IPR(Interproximal Reduction)とは、歯と歯の間のエナメル質をごくわずかに削ることでスペースを作る方法です。削る量は1ヶ所あたり約0.2〜0.5mmほどとごくわずかで、歯の健康や強度に影響が出ない範囲で行いますのでご安心ください。

奥歯の遠心移動

奥歯(臼歯)をさらに奥へ動かすことでスペースを確保する方法です。
顎の骨に「矯正用アンカースクリュー」と呼ばれる小さな固定装置を埋め込み、その固定源を利用して奥歯を後方へ移動させます。マウスピース矯正とも相性が良く、スムーズに歯を動かせるのが特徴です。

側方拡大

もともと歯並びのアーチが狭い方には、アーチ全体を横に広げる「側方拡大」という方法を用いることがあります。歯列を広げることで、歯がきれいに並ぶための十分なスペースを確保することができます。

歯軸の傾きを整えてスペースを作る

歯が正しく立っておらず、内側や外側に傾いていることでスペース不足になっているケースもあります。こうした場合は、歯そのものの位置を大きく移動させるのではなく、歯の傾斜や軸を正常に整えることでスペースを生み出します。

インビザラインは、非抜歯の矯正治療が得意

インビザラインは、非抜歯の矯正治療が得意マウスピース型の矯正装置であるインビザラインは、奥歯を少しずつ後方へ動かす「遠心移動」が得意です。
従来のワイヤー矯正では、スペース不足を解消するために永久歯を抜歯して対応するケースが多くありました。しかしインビザラインでは、歯の後方移動を効率的に行えるため、抜歯せずに治療を進められる症例も数多く存在します。
もちろんすべてのケースが非抜歯で対応できるわけではないため、まずは精密検査で詳しく調べる必要があります。

インビザラインについて

歯科矯正用アンカースクリューによる非抜歯矯正

歯科矯正用アンカースクリューによる非抜歯矯正歯を抜かずに美しい歯並びを実現するためには、歯を正確にコントロールしながら移動させる必要があります。当院ではその一つの方法として「歯科矯正用アンカースクリュー」を活用しています。
アンカースクリューとは、顎の骨に小さなネジを一時的に固定することで、歯を引っ張る“固定源”として使用する装置です。従来の矯正では難しかった歯の動きも、アンカースクリューを使うことで可能になり、抜歯せずにスペースを確保する選択肢が広がります。
非抜歯での矯正を目指す方にとって、アンカースクリューは大きな助けとなります。もちろん、すべての症例に適応できるわけではありませんが、精密な検査・診断を行った上で、可能性のある方には積極的にご提案しています。
無理な歯列の拡大ではなく、骨格や歯の状態に合わせた自然で安定した歯並びを目指し、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療をご提案します。