インビザラインとは
インビザラインは、米国のアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース型の矯正装置です。
薄く透明な素材で作られているため、装着してもほとんど目立ちません。人前に出る機会が多い方でも、自然な見た目のまま安心して矯正治療を受けていただけます。
食事や歯みがきの際には簡単に取り外せるので、普段通りの生活を妨げることなく治療が可能です。やわらかい素材が歯にやさしく力をかけるため、痛みも少なく、むし歯や歯周病のリスクも抑えられます。
1997年の登場以来、世界中で多くの方に選ばれており、2023年3月時点で1,500万人以上の治療実績があります。安心して受けられる矯正方法として、多くの方に信頼されています。
インビザラインの優れた特徴
透明で取り外しのできるマウスピース装置
インビザラインは、従来の金属ワイヤーを使用する矯正とは異なり、透明なプラスチック素材のマウスピースを使って歯を動かしていきます。薄くて透明度の高いマウスピースのため、装着していてもほとんど目立たず、周りの人に気づかれる心配がほとんどありません。
さらに、表面が滑らかに作られているため、装置が頬の内側や唇に引っかかることもなく、お口の中を傷つけるリスクも抑えられます。
豊富な治療データに裏付けられた、幅広い症例への対応力
インビザラインの大きな強みは、世界中で積み重ねられてきた膨大な治療実績にあります。多くの治療データが日々蓄積・分析されており、その情報をもとにシステムは常にアップデートを重ねています。
その結果、以前はマウスピース装置での対応が難しかった症例でも治療が可能になってきています。
デジタル技術を駆使した治療計画
インビザラインは、治療のほぼ全工程にデジタル技術を導入しています。歯型の採取には光学スキャナーを使用し、マウスピースの設計・製作までコンピューター上で行われます。
人の手作業の工程が少ないため、誤差を抑えられ、安定した治療結果が期待できます。
治療後の歯並びを事前に確認できる
インビザラインによる矯正治療では、お口の中をスキャンしたデータをもとに、どのように歯が動いていくのか、治療終了後にはどのような歯並びになるのかを３Dデータで事前に把握できます。治療期間の目安も予測できるため、治療の安心感につながります。
「本当に理想の歯並びになるのだろうか」という不安を解消しやすいのも、インビザライン矯正の魅力です。
世界中で選ばれている実績と高い信頼性
インビザラインは、世界1500万人以上の患者様が治療を受けてきた実績を持ち、今なお世界中で治療数を伸ばし続けています（2023年3月時点）。その豊富な治療データは日々システムの改善にも活かされており、精度の高い治療につながっています。
装着時間と補助装置について
装着時間について
マウスピース型矯正装置（アライナー）は、1日20時間以上の装着が基本です。食事や歯みがきの際には外せますが、それ以外の時間はできるだけ装着しておくことが大切です。
約2週間ごとに新しいアライナーへ交換しながら、少しずつ歯を動かしていきます。使用するアライナーの数や治療期間は、患者様の歯並びや噛み合わせによって異なります。
治療期間中は1〜3ヶ月に1回ご来院いただき、アライナーの適合やお口の健康状態をチェックし、次のアライナーをお渡しします。装着時間が不足すると治療計画がずれることもあるため、毎日の管理をしっかり行いましょう。
補助装置について
アタッチメントを設置する場合がある
マウスピース矯正では、透明なマウスピースが歯をしっかりとつかむ必要がありますが、歯の表面とマウスピースはともに滑らかであるため、マウスピースの保持力を高めるために「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起を歯に装着することがあります。
アタッチメントは、歯と同じ色のプラスチック素材で作られており、目立ちにくく、治療が終われば除去します。
ゴムかけ（顎間ゴム）が必要になることもある
歯並びによっては、奥歯を後方に移動させて前歯を並べるスペースを確保する必要があります。奥歯を3mm以上後ろに動かす治療計画となるケースでは、マウスピースの動きを補助する目的で小さなゴム（顎間ゴム）の併用を検討することがあります。
アンカースクリューを使用することがある
歯を動かす際には、移動させたい歯だけでなく、他の歯にも力がかかってしまうことがあります。動かしたくない歯に力がかかるのを抑えるために、「アンカースクリュー（矯正用インプラント）」の併用を検討します。
インビザラインに欠かせないiTero（アイテロ）
iTero（アイテロ）は、アライン・テクノロジー社が開発した口腔内3Dスキャナーで、歯型を採取する際に使用します。従来のようにシリコン材を使って物理的に型を取る必要がなく、専用のスキャナーでお口の中をなぞるだけで、高精度な3Dデジタルデータを取得できます。
従来の型取りに比べて精密さに優れているだけでなく、嘔吐反射や不快感が少ないため、患者様にとっても負担の少ない方法です。取得したデータは、インビザラインのマウスピース装置の作製や、治療計画の立案に活用されます。
iTero（アイテロ）がインビザラインにおいて果たす役割
正確な歯型データの取得
iTeroのスキャン技術は高精度で、歯や歯ぐきのわずかな形状まで忠実に再現します。従来のシリコンを用いた型取りでは、型が固まるまでの間、不快感を伴うことが多くありましたが、iTeroならわずかな時間で歯並び全体をスムーズにスキャンできます。
また、物理的な型では再現が難しかった細かな凹凸も、デジタルスキャンなら細部までしっかり捉えられます。
治療後の歯並びのシミュレーション
iTeroで取得したデータをもとに、治療計画の3Dシミュレーションを作成できます。治療を始める前に、歯がどのように動いていくのか、最終的にどんな歯並びになるのかを画像で確認できるため、患者様も治療のゴールを具体的にイメージしやすくなります。
治療開始までがスピーディー
従来の型取りでは、物理的な歯型を郵送する必要があり、マウスピース製作までに時間を要していました。しかし、iTeroでスキャンしたデータはリアルタイムで送信されるため、すぐに治療計画の作成とマウスピースの製作がスタートできます。その結果、治療開始までの期間が短縮され、早期に矯正治療を始められます。
インビザラインの治療の流れ
1カウンセリング・初診相談
まずは、トリートメントコーディネーターが患者様の現在の歯並びや噛み合わせに関するお悩み、ご希望される仕上がりのイメージを詳しくお伺いします。
あわせて、治療期間・費用・メリット・注意点についてもわかりやすくご説明します。他の矯正方法が適している場合には、それらの選択肢についてもご案内いたしますのでご安心ください。
2精密検査
インビザライン治療を進める前に、精密な検査を実施します。歯や顎の状態を確認するために、口腔内スキャナーiTeroによる歯型データの取得、レントゲン撮影、顔貌や口腔内写真の撮影などを行います。これらのデータをもとに正確な治療計画を立案します。
3治療計画の立案とご説明
検査データをもとに担当医が治療計画を作成します。3Dシミュレーションを用いて、治療によりどのように歯並びが改善していくのかを具体的にご覧いただけます。最終的な歯並びのイメージを確認しながら、治療期間や費用についても詳しくご説明し、患者様と一緒に治療方針を決定します。
4マウスピースの製作
治療計画にご納得いただけましたら、アメリカのアライン・テクノロジー社へマウスピース（アライナー）の製作を依頼します。デジタル技術と3Dプリンターによって、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドのマウスピースが作成されます。
5治療開始
完成したマウスピースが届きましたら、治療を開始します。装着方法やお手入れの仕方、注意事項などを丁寧にご説明し、その日から矯正を開始していただきます。基本的に、マウスピースは1日20時間以上装着していただき、7～14日ごとに次の段階のマウスピースへと交換していきます。通院は1～3ヶ月ごとに行い、治療の進行状況を確認します。
6治療終了・保定
すべてのマウスピースの使用が完了したら矯正治療は終了です。ただし、そのままでは歯並びが元に戻る「後戻り」が生じる可能性があるため、保定装置（リテーナー）を使って歯の位置を安定させます。保定期間も担当医が丁寧にサポートいたしますのでご安心ください。
インビザラインの治療期間
インビザラインによる矯正治療にかかる期間は、歯並びの状態や治療の難易度によって個人差がありますが、おおよそ1年半〜2年半ほどが目安です。これはワイヤー矯正と大きく変わらない期間です。
ただし、インビザラインは細かなワイヤーの調整などが不要なため、通院の頻度や回数はワイヤー矯正に比べて少なく済む傾向にあります。
しかしながら、インビザラインは患者様ご自身での管理が非常に重要な治療法です。装着時間が不足したり、マウスピースの交換を忘れてしまったりすると、歯の移動が計画通りに進まず、結果として治療期間が延びることもあります。治療を順調に進めるためにも、日々の装着管理をしっかりと行うことが大切です。
矯正治療期間を短縮するための加速装置
矯正治療は、歯を少しずつ動かして整えるため、どうしても時間がかかります。治療期間が長くなることに不安を感じる方も少なくありません。
そこで、治療期間を効率的に短縮できる装置として、矯正用加速装置を取り扱っております。加速装置は治療期間を短縮するだけではなく、治療中の痛みや違和感も緩和してくれるメリットがあります。