当院では、インビザラインに加え、 SFA(サーモフォームドアライナー)・DPA(ダイレクトプリントアライナー)を用いたインハウスアライナー、 さらに必要に応じてワイヤー矯正を組み合わせる ハイブリッド矯正を行っています。
年間100症例以上のマウスピース矯正を担当する院長による、 より高度で精密な矯正治療についてのFAQです。
マウスピース矯正に関してのよくある質問
マウスピース矯正はどのような矯正治療ですか?
透明なマウスピースを段階的に交換し、歯を計画的に動かす矯正治療です。
当院では
・セファロ
・歯科用CT
・iTero
・RAYFace(フェイススキャナー)
を用いて、噛み合わせ・顎位・骨格まで分析した上で精密な診断を行います。
透明で目立ちにくく、食事・歯磨き時に外せる点がメリットです。
マウスピース矯正に痛みはありますか?
マウスピースは圧の立ち上がりが緩やかで、ワイヤーより痛みが少ない傾向があります。ただし、新しいアライナーに交換した初日は軽い圧痛が出ることがあります。
どういった歯並びに対応できますか?
多くの症例に対応できますが、診断によってはワイヤーを併用します。
マウスピースが苦手な動き
・歯体移動
・大きな遠心移動
・大胆な圧下・挺出
・傾斜移動が強く起こるケース
→ ハイブリッド矯正(ワイヤー+アライナー)で精密に対応可能
当院では歯の動きに応じて最適な方法を選択し、より確実な結果を得るための治療設計を行います。
ハイブリッド矯正とは何ですか?
大きく動かす部分はワイヤー、微細な最終調整はアライナーで行う方法です。
マウスピース矯正は
- ・歯が傾斜移動しやすい
- ・奥歯の遠心移動が苦手
- ・歯体移動が難しい
という弱点があります。
そのため当院では、ワイヤーで大胆な歯体移動 → アライナーで精密な仕上げというハイブリッド方式を採用しています。必要に応じて、マウスピース治療費に+5〜10万円の追加費用をいただくケースがあります。
遠心移動や難症例にはどう対応しますか?
必要に応じてTADs(矯正用インプラント)を使用します。
大臼歯の遠心移動など、マウスピース矯正で難しい動きは、TADs(1本 2.5万円・税抜)を併用することで、正確に歯を動かせます。アドバンスな症例にも対応できる体制を整えています。
治療期間はどのくらいですか?
症例によって異なりますが、インハウス併用で短縮できるケースが多いです。
- ・通常は「1週間に1枚交換」
- ・V-Proをご使用の場合「5日で1枚交換」
来院は2ヶ月に1回、来院時は必ずiTeroでスキャン → 約2週間後に新しい8–12枚をお渡しします。
(IPRやアタッチメント追加がなければ郵送可能)
“毎回スキャンするのは面倒”という声もありますが、その分、常にその時点での歯の動きに最適化したアライナーを作れるため、治療効果が非常に高いのが特徴です。
費用はどのくらいですか?
まず「精密検査 55,000円(税込)」を行い、2週間後に治療計画と総額を提示します。
特長:
・すべての移動量をCADで確認可能
・同意後に残金をお支払い
・約1週間でアライナー(8〜12枚)をお渡し
楽器を演奏していますが、マウスピース矯正は可能ですか?
基本的にほとんどの楽器は、マウスピースを装着したまま演奏できます。特にフルートやトランペット、トロンボーンなどの金管楽器は、唇の動きに影響が少ないため、装着したままでも大きな支障は出にくいとされています。
一方で、クラリネット、サックス、オーボエなどの木管楽器は、リードを噛んで音を出すため、マウスピースの装着が演奏に多少影響する場合があります。ただし、部活動や練習、大切な本番などの際には、必要に応じて一時的にマウスピースを取り外すことも可能です。
マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも治療期間が長くなりますか?
マウスピース矯正とワイヤー矯正の間で、装置の種類によって大きく治療期間が変わるわけではありません。治療期間は患者様一人ひとりの歯並びの状態や治療内容によって決まります。
スポーツをするときはインビザラインを外した方がよいですか?
基本的にスポーツ中もマウスピースは装着したままで構いません。特別な事情がない限り、日常生活と同様にスポーツ時も通常通り装着を続けていただくことで、計画通りに歯が動いていきます。
インハウスアライナー(SFA・DPA)に関するよくある質問
インハウスアライナーとは?
院内で設計・製作するマウスピース矯正です。
治療精度・スピード・適合性が高いのが特徴です。
当院では
- SFA(Thermoformed Aligner)
→ シートを加圧成形機で圧接して作るタイプ
- DPA(Direct Printed Aligner / Graphy社製)
→ アライナーそのものを直接3Dプリントするタイプ
の2種類を使い分けています。
DPAとSFAの違いは?
| 特徴 | SFA(圧接) | DPA(直接プリント) |
|---|---|---|
| 製作方法 | シートを圧接 | アライナーを直接3Dプリント |
| 適合性 | 良好 | 非常に高い(精密) |
| アンダーカット処理 | モデルでブロックアウトが必要 | 不要 → 精密にフィット |
| マージンライン | 通常 | 長くできる → グリップ力UP |
| アタッチメントの再現性 | 通常 | 細部まで再現可能 |
| 痛み | 比較的少ない | 形状記憶素材によりさらに少ないことが多い |
| 材料コスト | 低め |
高い(=価格も上がる) |
DPAは素材コストが高いため、
「インハウスだから安い」という値付けはしておりません。
むしろDPAの方が費用は高めです。
インビザラインとの違いは?
最大の違いは「微調整の速さ」「適合性」と「アタッチメントの自由度」です。
- ・インビザライン:追加アライナー依頼で数週間
- ・インハウス:その場でスキャン → 約2週間で新アライナー
- ・DPAはアンダーカット処理不要でフィット精度が非常に高い
- ・マージンラインを深くできるため保持力が強い
- ・アタッチメント形状も自由設計で、回転・圧下・歯体移動がしやすい
そのため当院では
インビザライン + インハウス(SFA/DPA)=ハイブリッド運用
を行っています。
インハウスの治療の流れを教えてください。
① 無料相談
現在の悩み・治療可能性を確認
② 精密検査(55,000円)
セファロ、CT、iTero、RAYFaceなどを用いて分析
③ 約2週間で治療計画提示
CAD上で歯の動きを見ながらご説明
→ 同意書 → 残金お支払い
④ 約1週間でアライナー8〜12枚を製作
V-Pro使用で5日交換
通常は1週間に1枚交換
⑤ 2ヶ月ごとに来院しスキャン
→ 2週間後に次のアライナーを8〜12枚受け取り
(IPR・アタッチメント処理などなければ郵送可)
なぜ毎回スキャンを行うのですか?
歯の動きに“ズレ”が生じないよう、常に最適化するためです。
マウスピース矯正最大の問題は
「計画 vs 実際の動きのズレ」
これを防ぐために
- 毎回スキャン
- その時点の最適なアライナー製作
- DPAの高い適合性
→ 結果が出るスピードと精度が大幅に向上
子どものマウスピース矯正に関するよくある質問
子どもの矯正はいつ頃から始めるのが良いですか?
6〜10歳が最も効果が高い時期です。
顎の成長誘導、口呼吸・舌癖改善にも有効です。
抜歯せずに治せますか?
成長期は非抜歯の可能性が大きく高まります。
顎の成長を利用できるためです。
痛みや学校生活の支障はありますか?
ほとんどありません。
取り外し式で、学校生活への影響は最小限です。
矯正治療はどのくらいの期間続きますか?
子どもの矯正治療は、まず永久歯がすべて生え揃う小学校高学年頃までを一区切り(1期治療)とします。その後、歯並びや噛み合わせの細かなズレを整える必要がある場合には、2期治療へ移行することもあります。2期治療では、成人矯正と同様の装置を使用して仕上げを行いますが、1期治療を行っていることで治療期間が短く済み、仕上がりもより美しく整えやすくなります。


